定期的なチェックが必要な理由
バイクのタイヤには、メーカーが定めた「適正空気圧」が設定されています。タイヤの空気は乗っていなくても自然に抜けていくため、チェックを怠ると燃費の悪化やハンドリングの低下を招きます。
空気圧が低すぎる状態で走行すると、タイヤが異常発熱して破裂する「バースト」の原因や、寿命を縮める偏摩耗を引き起こしかねません。逆に空気を入れすぎると、接地面積が減りグリップ力が落ちるというデメリットが生じます。
さらに、空気圧の低下は直進安定性を損なうだけでなく、コーナリング時に車体が不安定になり、思い通りのラインを走れなくなる危険性もあります。
特に雨天時はタイヤの溝による排水性能が著しく落ちるため、スリップ事故のリスクも高まります。タイヤという消耗品の寿命を最大限に延ばし、交換コストなどの無駄な出費を抑えるためにも、最低でも月に一度は空気圧を確認する習慣をつけることが、安全にバイクライフを楽しむ近道です。
空気圧を確認する際のポイント
タイヤの空気圧を正しく測るためには、「タイヤが冷えている時」に行うのが鉄則です。走行直後のタイヤは摩擦熱で内部の空気が膨張しており、正確な数値を測れません。ツーリングに出かける前や、近所までゆっくり走った程度の状態で測るのがベストです。
愛車の適正空気圧が分からない場合、基本的にはチェーンカバーやスイングアーム、シート下などに貼られたステッカーで確認できます。ステッカーには「1名乗車時」と「2名乗車時」それぞれの推奨値が記載されているので、乗車人数や荷物の積載状況に合わせて数値を選びましょう。
タイヤの見た目だけで空気圧を判断するのは非常に困難です。指で押して硬いと感じても、実際には規定値の半分以下というケースも珍しくありません。
また、ガソリンスタンドの空気入れは四輪車用の形状が多く、バイクのブレーキディスクなどに干渉してうまく測れないことがあります。干渉してしまう場合に備え、バルブの向きを変える「L字型エクステンションバルブ」や、ホース付きのマイエアゲージを準備しておくと、狭いスペースでもスムーズに確認作業を行えます。
空気を補充する正しい手順
まずはタイヤのエアバルブキャップを外し、空気入れのホースの口金をバルブに対して垂直に押し当てます。「プシュー」と空気が漏れる音がする場合は、口金が斜めになっている証拠ですので、音がしなくなるまで真っ直ぐ強く押し込むのがコツです。
ガソリンスタンドの空気入れには、自動停止タイプと手動調整タイプがあります。まずは少し多めに空気を入れてから、エアゲージの減圧ボタンを使って微調整し、規定値ピッタリに合わせるのが最も確実な方法です。最後にバルブキャップを確実に締めましょう。
作業の際、ホイールの回転位置によってはバルブがブレーキキャリパーやチェーンと干渉し、ノズルが入りにくいことがあります。入りにくい場合はバイクを少し動かして、作業しやすい広いスペースにバルブを移動させるとスムーズです。
また、補充完了後はバルブの口に石鹸水などを少し塗り、気泡が出ないか確認するとバルブコアからの微細なエア漏れを防げます。わずかな手間でバイクの走りが軽快になり、燃費も向上するため、定期的に行ってください。


